一番最初のVITA版が発売されてから既に4年も経過していて、本当に今更なのですが、イースVIIIの感想・レビューです。管理人はPS Vita版とPS4版を3周ずつクリアしています。近年では夏に遊びたいRPGといったら真っ先にイースVIIIが思い浮かびます。
イースVIIIってどんなお話?
主人公のアドルは相棒のドギと一緒に豪華客船『ロンバルディア号』の乗組員として航海をしていると、突然怪物に襲われて船がバラバラにされてしまいます。アドルをはじめ乗客や乗組員たちは海に放り出されてしまい、謎に包まれた無人島『セイレン島』に漂流します。イース8の物語はここからスタートです。
序盤は拠点を作り漂流した乗客や乗組員を探しつつ近場を探索をします。中盤からはセイレン島の謎や核心に迫っていき、最終的には島から脱出するという構成になっています。一言で言うとアドルが無人島を冒険するお話ですね。
イースVIIIの面白い理由の1つはストーリーにあります。特に中盤以降はもの凄く引き込まれていきます。展開も結構サクサクなため、続きを見ようとして止め時を見失ってしまうほどです。軌跡シリーズもそうなのですが、ファルコムは本当に物語の見せ方がうまいです。
可能であれば記憶を消して何度も遊びたいゲームです。イースVIIIの『この先に何が待っているのだろう』っていうワクワク感は他ではなかなか味わえません。
イースVIIIを始めたきっかけ
イースVIIIを遊ぶ前は、ファルコムのゲームは軌跡シリーズや東亰ザナドゥくらいしか遊んだことがありませんでした。イースシリーズのことは知っていましたが、長く続いているシリーズだし途中から遊ぶのもなんだぁという理由で食指が動きませんでした。まぁよくある理由です。
では、なぜ始めたのかとなるのですが、それはPS Vita版が発売される数カ月前でした。とあるゲームサイトを見ていたらイースVIIIの紹介記事が目に留まりました。普段だったらスルーしているのですが、何故かその記事を見てしまったんですよね。
それで、その記事のある画像に目を惹きつけられました。その画像というのはアヴァロドラギルというボスモンスターです。それを見たら本能的にこのゲームやってみたいってなりましたね。
シリーズの途中から始めても大丈夫なのかなって不安もあったのですが、それはすぐに消え去りました。と言うのも、その記事のコメントで同じことを考えている人がいまして、親切にもレスがついていたんですね。
「1と2以外はストーリーの繋がりはないから途中からでも大丈夫」みたいなレスでした。それを見て発売日に買うことを決めました。これが以降ハマることになる最初のイースとなりました。
キャラを動かすのが面白い
イースVIIIのアクションは流行りの重厚感のあるリアルっぽいアクションではなく、どちらかと言うと無双系です。その中でも固有スキルを中心に戦っていく感じはBASARAシリーズに近いです。それを更に高速にしたのがイースVIIIですね。右往左往しながらする高速アクションは爽快の一言です。最初の方なんか砂浜を駆けているだけで面白いです。
その高速アクションに加えて、フラッシュガードやフラッシュムーブと言ったシステムがあります。敵の攻撃が当たる直前に特定のボタンを押すことで発動し数秒間無敵になって有利に戦うことが出来ます。
所謂ジャストガードのような感じなのですが、発動した時のエフェクトのせいもあってうまく決まると昂るんですよね。また、高速アクションをしながらフラッシュガード、ムーブをするのは見ていてもかっこいいし、ボス戦で何回も連続で決められた時なんかは絶妙に気持ちいいです。
プレイアブルキャラは全部で6人いて、スキルもどんどん覚えていくので多様なスタイルのアクションを楽しむことができます。ちなみに管理人はダーナとサハドをよく使っていました。
耳に残るBGMが多い
イースシリーズはアップテンポの曲が多く、特に最初のフィールドに使われる曲はどの作品も評価が高いです。VIIIも勿論そうでして『Sunshine Coastline』と曲名なのですが、セイレン島に打ち上げられて冒険が始まるぞって所で、この曲が流れてきてめちゃくちゃテンションが上がります。イースシリーズでも屈指の名曲です。
その他にも『Overcome the Rocky Path』『 Iclucian Dance』『Hope Alive』など好きな曲を上げたらキリがありません。高速アクションに合っているのもそうなのですが、選曲が情景にもマッチしているので印象に凄く残るんですよね。
それとタイトル画面で使われている曲なのですが、最初は大冒険をするゲームには似つかわしくない曲だなと思っていました。ですが、クリアをしてタイトル画面に戻ってきた時に『あぁ・・・この曲で正解だったんだ』となったんです。その時の自分の心象を映したような感じで衝撃的でしたね。
島でのサバイバル生活が楽しすぎる
冒険の拠点となる漂流村は秘密基地感があって凄いロマンがあるんですよね。漂流者が集まってくると村も拡張されていって、できることも増えていくんですけれど、実際そこに行って生活をしてみたいって気分になります。
最初はほとんど何もない漂流村ですが・・・
漂流者が集まってくるとここまで発展するようになっています。
その他にも漂流村を獣から守る迎撃戦や島の地図作成、釣りなどのサバイバル要素もたくさんあります。漂流者が増えると通れなかった場所が通れるようになり、新しい場所へ行くときの『何が出てくるんだ』っていう冒険感もハンパないです。昔のJRPGが好きな人にはたまらないですね。
JPRGと言うとメインストーリーが1本道とか個性のあるキャラクターが多数登場するだとかあります。イースVIIIも勿論そうでして、バトルがアクションという以外はJRPGっぽいことは大体詰まっています。エンディングだけ分岐がありますが、普通にやっていればトゥルーエンドにたどりつくので心配いりません。
サブクエストにもひとつひとつストーリーがあるので、すごく丁寧に作られているゲームです。
ダーナを絶対に好きになる
今作はイースシリーズで初めてのダブル主人公システムが採用されています。1人はシリーズ通しての主人公アドル・クリスティン。もう1人はダーナ・イクルシアという少女です。
どうして絶対と言い切れるのかと言うと凄く主人公をしているんです。アドルより主人公をしているんじゃないかと思えるほどです。彼女が運命に抗い続け、東奔西走する姿はJRPG好きであれば間違いなく感情移入できます。ゲームを全て終えた時には尊ささえ感じます。
以前、ファルコムの近藤社長が韓国で行われたイベントのインタビューで『シリーズの人気ヒロイン(フィーナとレア)をどうやったら超えられるのか』という理由で生まれたのがダーナとおっしゃっていました。確かに納得のヒロイン力でしたし、CV担当の大西沙織さんもハマり役でした。
こちらがその時のインタビューです。
終わりを迎えるのが寂しいゲーム
RPGってクリアすると達成感や満足感で満たされることが多いですよね。ですが、イースVIIIの場合は『終わってしまった・・・』っていう寂しさや喪失感などの方が強く出ます。
先にも書きましたが、イースVIIIの最後はセイレン島からの脱出です。そのセイレン島での生活が楽しすぎて『まだこのゲームを続けていたい』『ずっと遊んでいたい』っていう気分になるんです。変な例えですが、いつも遊んでいたオンラインゲームがサービス終了を迎えるような感じに近いです。
VITA版とPS4版を3周ずつはクリアしていますが、毎回その感情があふれ出てきますね。ですので、何度でもやりたいゲームにも関わらず、最近は封印をしています。記憶を消して遊びたいって言うのはこういう部分にも繋がっています。
どうしてもセイレン島を冒険したくなったときはサントラを聞いて我慢しています。それでもエンディングの曲が流れてくると感傷的になってしまうのですけれどね。
グラフィックやモーションは最先のものに比べれば劣る
元々がPS Vitaのゲームなのでグラフィックは大手メーカーのものと比べると劣ります。ただ、グラフィック自体はアニメ調なのでしばらくやっていれば慣れますし、高い所から見渡す景色は結構綺麗だったりします。
ですが、イベントの演出やモーションなんかは前時代的な感じなので違和感を感じる人は多いと思います。この辺は新作が出ても変わり映えしない感じなので頑張って欲しい所ではあります。
これから遊ぶのであればVITA版以外がおすすめ
これからイースVIIIを遊んでみたいと思うようでしたら、PS4版、Switch版、Steam版のどれかをおすすめします。
何故かと言いますと、VITA版で容量の都合で収録できなかった要素やエピソードがPS4版以降のものには収録されています。また、リマスターもされていて60FPSになった上に、ロードもめちゃくちゃ早くなっています(Switch版は30FPS)。こういういい方は好きではないのですが、完全版というやつです。
ですが、VITA版がダメという訳ではありません。ちゃんとストーリーも完結しているので何の問題もないです。それでも追加エピソードのことを考えるとやっぱりPS4版以降のものをプレイして欲しいですね。ダーナがホント尊いんです。
最後に
グラフィックやモーションなどにこだわりが無いようでしたら、イースVIIIは是非プレイして欲しい作品です。特に昔のJRPGが好きな人には本当におすすめです。
また、ファルコムのゲームをやってみたいけど、どれからやったらいいのか分からないという人にもイースVIIIはおすすめです。アクションが苦手という方でも難易度設定があるので、その辺は心配いりません。
ただし、イース8はファルコム作品の中でも完成度の高いゲームの1つです。そのため、他の作品に手を出した時に物足りなさを感じることがありますので、それだけは覚えておいてください。